現在小4の長男は都立中高一貫校の受験を考えており、小2の冬から進学塾に通っていました。都立中の受験に強いと言われる某大手でしたが、色々と悩んだ結果、やめることに決めました。
担当の先生が「怖い」
入塾当初〜3年生の前半頃までは、特に文句も言わずに通っていました。同じクラスの友達も何人か通っていたこともあり、私も安心していました。
しかし、3年生の後半頃からでしょうか。「先生が怖い、塾に行きたくない」と度々訴えるようになったのです。
担当の先生は若い女性(仮にY先生とします)でしたが、長男曰く機嫌が良い時はいいのだが、機嫌が悪い日はとにかく授業が怖い。授業を受けているだけで、怒られているような気持ちになる。
さらに分からないことを質問すると、「何で分からないの!」と怒りだすのだと言います。
塾の授業や宿題で出る問題は、小3とはいえ受験を意識した難しいものも多く、私自身うまく教えられる自信がありませんでした。なので、過去の保護者面談でも、そうした難しい問題への取り組み方について何度かY先生に相談したことがあったんです。
彼女は私に対してはにこやかに、「分からないところはどんどん塾に投げちゃって大丈夫です!」と言いました。だから私も、長男に塾でどんどん質問するように勧めていたのですが…
実際には質問するたびに嫌な顔をされ、最終的には怒られる。そのため「もうあの先生には訊きたくない」と言います。
分からない問題を質問して怒られるのでは… 通う意味がないどころか、お金を払って勉強を嫌いにさせているようなものです。
教室長も信用できない
長男の話を受けて、一旦教室長に相談してみようかと考えました。しかしそのことを長男に伝えたところ、彼は「やめてくれ」と言うのです。
話を聞いてみると、長男は教室長の先生のこともあまり好きでなく、信用していませんでした。
教室長は良く言えば親しみやすい、悪く言えばヘラヘラした感じの男性です。生徒に対して「イジる」ような接し方をすることも多く、長男は性格的にそういうのはダメなタイプでした。
例えば小テストに名前を書き忘れたときに、
「名前がないぞ~ 0点だ0点だ~w」
と皆の前で言われたり。
算数の計算問題を解いていたら覗き込んできて、
「間違ってるぞ~ こんな簡単な問題も解けないのかw」
と囃し立ててくるなど…。
憤慨する長男を見て、それくらい聞き流せばいいのにと思ったりもしましたが、実際私もあまり「イジる」系のコミュニケーションは好きではありません。
というか、嫌いです。だからそんなふうに言われてイライラする気持ちも、モチベーションが下がることも理解できます。
また、別の学年の子が前述のY先生に分からない点を質問したところ、長男と同じように
「何で分からないの!」
と言われ、涙ぐんでしまったことがあったのだそうです。
その子に対してY先生は、「泣き虫!」と吐き捨てたそうですが、聞けば教室長も近くにいたとのこと。
教室長はY先生を諫めるでも、生徒をフォローするでもなく、一緒になって
「泣き虫~w」
と笑っていたとのことで…。その話を聞いて、私もこりゃダメだと思いました。
他にも、教室長はしばしば自席のパソコンでアニメを観ていたり(教室内からPC画面が見えていたそうです…)、授業中・テスト中に他の職員と大声で談笑する声が聞こえてきたり(うるさくてテストの邪魔だったそうです…)、割と自由な?振る舞いをする人で、それが長男にはふざけているようにしか見えなかったんですね。
そんなわけで長男は教室長を全く信用しておらず、相談もして欲しくないというのです。相談しても、良い方向に向かう未来が見えなかったのでしょう。
塾への不信感が募り…
私自身、入塾したばかりの頃、この塾に対して違和感を覚えたことを思い出しました。
思い出した、というか、よくよく考えてみればこの一年半長男を通わせながら、ずっと心のどこかにモヤモヤとした感情を抱いていたのです。
でも長男の成績が上がっていたこともあり、モヤモヤの正体については敢えて考えないようにしてきました。
「塾とはこういうもの」「中学受験とはこういうもの」「成績は上がっているのだから間違いないのだ」…
そう思い込むことで、問題から目を背けてきたのかもしれません。なぜなら実績で考えたら、中学受験に成功するには、その塾に通い続けるほうが得策だから。
でも、実績はそうでも、息子にとってはどうなのだろう?それを考えた時、私の中で答えが出ました。
やめさせよう!
モヤモヤの正体は、不信感です。
これまでの塾とのやり取りや、塾から戻った息子の様子から感じるものがあり、私自身塾に対する不信感を静かに膨らませていたのだと思います。
担当のY先生は気分屋で、まともな指導は望めない。
教室長はそれを知りながら放置しているだけでなく、一緒になって息子のモチベーションを下げてくる。
やめる理由としては充分です。
大手だろうが合格実績があろうが、関係ありません。データ上は「良い」塾でも、長男にとってそうでないなら、通わせる意味は全くないからです。
電話で退学を申し入れる
そうと決まれば早いに越したことはありません。
既に夏期講習の申し込みをした後ではありましたが、電話で退学の旨を伝えました(夏期講習の費用は後日返金されました)。
電話口で教室長と直接話すことになったため、Y先生と合わない件についてはそのまま伝えました。
教室長は、
「うんうん、(Y先生の指導については)私も気になっていたんですよね~」
「それもあって、Yはクラスを替わることになりましたから」
と引き止めてきましたが、私たちの気持ちはもう変わりません。
話しながら、一番の問題はY先生ではなくこの教室長だったんだな、と思いました。
Y先生の指導が良くないこと、やっぱり分かってたんだ… それなのに1年以上も放置していたなんて。
面倒くさいことが嫌いなタイプかもしれません。だとすれば、Y先生が担当を替わったところでまた同じような問題は出てくるでしょう。
一度本人と話し合ってから…とか、もう少し様子を見てからでも…とか、色々と言われましたが、埒が明かなかったので「モチベーションが下がってしまってもう無理なんです」と伝えました。
最終的には若干雑な感じで電話を切られましたが、すっきりしました(笑)
合わない塾はやめていい!
塾を辞めてから、長男は明るくなりました。というより、元に戻ったのでしょう。
実は既に別の個別指導塾に通い始めているのですが、そちらには楽しそうに通っています。勉強が嫌だったのではなく、本当に前の塾が合わなかったのだと思います。
確かに、前の塾で成績は上がりました。
でも今思えば、それは恐怖に駆られて無理矢理詰め込んでいただけだったのかも。
そんな勉強のやり方では一時的に成績が上がってもいつかは限界がくるし、そもそも勉強が嫌いになってしまいます。
それにいくら受験のノウハウを持っていたとしても、生徒を大切に扱ってくれない塾には通わせたくありません。
もちろん、私も塾を辞めさせるにあたって全く葛藤がなかったわけではありません。
受験情報が得にくくなること、これまで受けていた模試が受けられなくなることは単純に不安でしたし、何より「辛いからと言ってやめたら逃げ癖がつくのではないか」という心配もありました。
でも一番重要なのは、勉強を好きになってもらうこと。
勉強は一生続くものだし、身につけた勉強スキルは生涯にわたってあらゆる場面で長男を助けてくれると思います。
それは情報やノウハウで中学受験に合格するよりもずっとずっと大事なことだと私は考えていますし、だとすればなおさら、勉強が苦痛なものになってしまう前にやめさせて良かったと思っています。