次男に関しては、産後の比較的早いうちから「2歳くらいまでは母乳で育てよう」と決めていました。
そう決めたきっかけは、産後の1ヶ月健診の際に卵巣の腫れ=チョコレート嚢腫の可能性を指摘されたこと。チョコレート嚢腫であれば母乳育児を続けている間は進行しないので、「母乳育児を頑張った方がいいですよ!」と受診後に医師から奨められたのです。なるほど、そういうことならば… という流れで、そもそも私が長期授乳を決めたのは、自分自身の健康のためでした。
結局その腫れはチョコレート嚢腫ではなく、皮様嚢腫(授乳関係ない!涙)であったことが後々明らかになるのですが。
WHOは母乳育児の期間を「2歳以上まで」推奨
ちなみに「2歳」というのは、WHO(世界保健機関)が母乳育児を続けましょうと推奨している年齢になります。
WHO(世界保健機関)とユニセフ(国連児童基金)は、母親・新生児保健サービスを提供する保健施設において、母乳育児へのサポートを拡大するための、新しいガイドラインを本日、発表しました。すべての赤ちゃんに対し最初の2年間の母乳育児をおこなうことで、一年間で5歳未満の子ども82万人以上の命を救えるでしょう。
引用元:ユニセフ
できるだけ長く続けた方が良いとはいえ、さすがに3歳4歳まで授乳を続けるのは自分の体力がもたないのではないかという不安がある… そこで、WHO推奨の「2歳」をひとつの目標にしてみました。
寝不足だったり、噛まれたり齧られたりと痛かったり、大きくなるにつれて重くなってきて体力的にツラかったり、授乳期間が長くなればなるほど今度は卒乳が不安になったりと、もう辞めちゃおうかなと思う日もあります。
それでも、ここまで授乳を続けてきて良かったことも色々あり、引き続きWHO推奨の「2歳」くらいまでは母乳育児を続けたいと思っています。
長期授乳のメリット
授乳中は確かに太りにくい。産後ダイエットのチャンスが続く
育児情報サイト「こそだてハック」によれば、母乳育児によって母親が一日に消費するエネルギー量は約500㌔カロリーだそうです。
同じカロリーを運動で消費しようとしたら、どれくらいの活動量が必要になってくるのでしょうか?
CLUB.panasonic を見てみると、女性が500㌔カロリーを消費するのに必要な活動量が例示されています。一例を挙げると、
・ランニング 78.5分
・水泳(平泳ぎ) 61.0分
・テニス 91.6分
等々、かなり長時間の運動をしなければ、消費できないカロリーであることが分かります。
妊娠中に必要以上に太ってしまい、産後ダイエットを頑張らなければ! と思っている人は多いと思います。私もその一人です。でも身体が回復期にある産後、上記のような運動は難しいですし、第一0歳児の育児中にそんな時間はとれませんよね。
母乳育児なら、赤ちゃんにエネルギーと栄養を与えつつ、お母さんもカロリーを消費することができる。何とも効率的なダイエット方法ではありませんか。実際私も産後一年半、特にセーブすることなく食べたいものを食べてきました(甘いものも、かなり)し、運動もしていませんが、体重は産後に9㎏ほど落ちた状態からそのままキープできています。
とはいえ、授乳中は「食べても食べてもお腹が空く」ので、ついつい食事量も多くなってしまいがちです。本当はあと3~4㎏落としたいのですが、このあたり(食事の量・質)を上手にコントロールすることが、ダイエット成功のコツなんでしょうね…
いずれにしろ、授乳を続けている限りは痩せやすい状態にあり、産後ダイエットのチャンスは続くわけです。「2歳まで」となるとあと半年ほどですが、その間にあと3~4㎏減を目指したいと思います!
ミルク代要らず!節約になる
赤ちゃんを育てている家庭にとって馬鹿にならない支出がミルク代です。
長男の時は保育園に預けることが決まっていたので、哺乳瓶に慣れてもらうためにミルクも併用していました。外出時と、夜寝る前はミルクにすることが多かったです。
使っていたミルクは、大缶800gの値段が2,200円ほど。月齢にもよりますが、完全ミルクの場合、大体1ヶ月あたり2缶半ほどの消費量(※)になるようです。
※参考サイト:新米ママの節約術『母乳育児』で目指せミルク代0円! | タイナビスイッチ
となると、1ヶ月あたりのミルク代は5,500円。またミルク代だけでなく、哺乳瓶や替えの乳首、消毒用のアイテムなど、ミルク育児にあたっては色々と必要なものが増えます。もちろん大きくなるにつれて、また離乳食が進むにつれてミルクを飲む量は減っていくので、実際のところいくら節約になるのかはハッキリとは分からないのですが… だとしても、母乳ならお金は掛かりません。
母乳育児の場合、必要なのは母乳パッドくらい。しかも最近(生後1年半)では、よほど授乳間隔があかない限り乳が張ることもなくなったので、授乳時にタオルなどで溢れないように押さえておく程度で大丈夫になりました。というわけで、もう母乳パッドも必要なくなり、買っていません!完全無料で(笑)子どもに栄養を与えることができています。
ミルクと比較して母乳育児が経済的なことは、間違いないと思います。
お出掛けの荷物が少なくてラク
面倒くさがりの私にとって、意外と大きなメリットがこれでした。
ミルクの場合、赤ちゃんと外出するには色々と持っていかなければならないものが多く、大荷物になりがちです。ミルクに哺乳瓶、お湯の入った水筒に湯冷まし。手際の悪い私は、お出掛けの都度これらを準備しなければならないと考えただけでグッタリしてしまいます。
もともと外出時、荷物が多いのは嫌いなのです(移動が大変だし、落として来たりするし…)。
でも、赤ちゃん連れだとオムツやおしり拭き、着替えにタオルなど、最低限持って出なければならないものだけでもすでに一杯! そこへ更に、ミルクセットが加わるとなると… 忘れ物なんかした日には大変です。
母乳育児なら、おっぱいを忘れて出掛けることはありませんから。ウッカリの多い私には合っていました。
どこでも授乳できるミルクの方がお出掛けはラク! という意見もあるかもしれません。確かに、母乳だと出先に授乳室があるかどうか、事前に確認しておかないと心配です。また、あったとしても満室で入れない… なんてことも、無きにしも非ず。私自身、長男の育児中は外出先で母乳をあげられなかった場合を考えて、念のためミルクのセットを準備していったこともありました。
では、次男の出産後はどうかというと… 基本的に、必要がなければ授乳の心配をしなければならないような場所にはお出掛けしなくなりました(笑)すぐに帰ってこられる近所の公園や、授乳室がある/空いている と分かっている施設にしか行かなくなりました。
子どもの性格にもよりますが、「赤ちゃんとお出掛け」なんて、疲れることの方が多くてそんなに楽しいものじゃないです。次男自身、慣れた公園&いつもの遊具で遊んでいる方が楽しそうだと気づいてからは、無理に遠出するのをやめました。そうすることで、母乳育児が劇的にラクになったような気がしています。
元々出不精なママ、引きこもり体質のママは、母乳育児に向いているのではないでしょうか!
長期間の授乳経験が乳がんのリスクを下げる
授乳経験のある女性は、そうでない女性と比較してがんの発症リスクが低くなるとの仮説は昔からありました。2000年代に入ってからの研究で、その仮説は「ほぼ確実である」と結論づけられたようです。
2002年の47件の疫学研究にもとづく国際的なプール分析(合計で50,302件の症例と96,973件の対照群が含まれる)によって、授乳期間12カ月ごとに乳がんリスクの4.3%の有意な低下が見られるという結果が得られました。また、2007年の世界がん研究基金(WCRF)と米国がん研究協会(AICR)の報告書で行われたメタ分析(4件のコホート研究と37件の症例対照研究にもとづく)では、授乳期間5カ月ごとに2%の乳がんリスク低下が示され、乳がんに対して授乳が予防効果を持つことは「ほぼ確実」と結論づけました。
授乳経験があることで、さらにできる限り長く授乳をすることによって、乳がんのリスクを下げることができるというのです!
授乳によって実際に自分の乳がんリスクを低減させることができているのかどうかは、残念ながら実感できるものではありません。今後も、自分が乳がんの予防効果を得られたかどうかは、おそらく一生分からないでしょう(自分自身が授乳した場合としなかった場合とを、比較することはできないので)。
それでも、研究によって「予防効果はほぼ確実」と結論づけられているというのは心強いことです。私は数年前の健康診断で乳腺腫瘤を指摘され、経過観察中なので… 検査の結果、良性で心配は要らないだろうとは言われているものの、やっぱり気がかりです、乳がん。
卵巣がんの予防効果も?
また日本癌治療学会の資料には、授乳には卵巣がんの予防効果もあるとの記載がありました。
授乳には、卵巣がん発生の予防効果があります。これは、授乳が排卵を抑制し、その結果として生涯の排卵周期数が減少するためと推定されます。
婦人科系疾患には多少なりとも不安を抱えているからこそ、授乳の度に「授乳一回毎に乳がん・卵巣がんのリスクを下げているのだ」と思えることは、精神衛生上かなり良かったりします。
さいごに:長期授乳中の息子の健康状態
母乳育児は赤ちゃんにとって良いものとされており(一般的には、赤ちゃんにとってのメリットの方が声高に叫ばれているイメージですかね)、「免疫がついて丈夫になる」「肥満防止になる」「SIDS(乳幼児突然死症候群)の予防になる」「IQが高くなる」などなど、様々なことが囁かれています。ただし、実際には根拠に乏しかったり、都市伝説だったりするものも少なくないようで、実際のところは分かりません。母乳については、まだまだ明らかになっていないことも多いのでしょう。
私も次男に授乳を続けることで、もちろん彼にとってもよい影響・効果があることを願っていますが… 実際に、次男のある状態や現象が、母乳育児の効果なのかどうかについては確かめようがありません(乳がん予防効果の件と一緒で)。
なので、次男の今の健康状態を「母乳育児の成果」として結論づけることはできないのですが、反対に「無関係である」とも言えませんので、最期に参考として記しておきたいと思います。
・体重12キロくらい
・めちゃくちゃ健康で風邪をひかない
・活動的、動きが素早い
・好奇心旺盛(イタズラ小僧)
・よく食べる、何でも食べる
・言葉の理解は少しずつ進んでいる
・自己主張、要求がハッキリしている
・よく笑う
この内のどれが、母乳育児を続けている効果なのか、或いはどれも関係ないのかは分かりませんが、私としては、多少は良い影響があったんじゃないかな?と思っています(というか、思いたいです)。
当初はチョコレート嚢腫の進行抑制のために続けようと決意した母乳育児でしたが、次男と私、お互いのためにこのまま2歳くらいまでは続けたいなと考えています。