無痛分娩ってどんな流れで進んでいくの? 2018年4月、次男を無痛分娩で出産した経験をもとに、入院日の決定から分娩までの流れをまとめました。
先月下旬、第二子となる男の子を無事出産しました!現在、産後2週間を過ぎたところです。
まだまだ疲れは抜けませんし、深夜の授乳で寝不足だったりもしますので、無理はできません。
でも、記憶が新しいうちにブログに残しておきたいと思い、PCに向かっています。
予定通り、無痛分娩(硬膜外麻酔)での出産となりました。この投稿では、入院日の決定から分娩までの一連の流れを書いていきたいと思います。
※下記は私の個人的な体験談です。
入院日の決定から分娩まで
4月19日(木)妊婦健診(40週)
40週の妊婦健診がありました。
前週の健診では、まだまだ産まれる気配はない、と言われていました。
子宮口も全く開いていないし、赤ちゃんも降りてきていない。もっと動け、歩け、スクワットも追加しろ… などと言われ、ガッカリ。自分では、かなり身体を動かしているつもりだったので。
事前に受けていた説明によれば、入院日は子宮口の状態を見て、医師が決定するとのこと。
そのため「子宮口が全く開いていない」状態では、入院日を決めることができません。長い長い妊娠生活とそれに伴う体調不良にかなり参っていた私は、この40週の妊婦健診を半ば祈るような気持ちで受診しました。
この日の健診では別の女医さんが内診をしてくれたのですが、「子宮口は(ギリ)2~3cm開いている」との診断で、週明けの月曜日に入院が決まったのです!
4月21日(土)昼 – ウォーキング
週明けの入院に向けて、身体を動かすことにしました。
5歳の息子と、少し離れたところにある公園まで、往復約6kmほどのウォーキングです。
今回の出産は、陣痛促進剤で人口的に陣痛を誘発する「計画分娩」。
ただこの促進剤を使った陣痛は、「急に来る」ためなかなかの痛さだという話を耳にしていました。自然な陣痛が来てくれれば、それに越したことはない… と思ったのがひとつ。
※入院日より前に自然な陣痛が来た場合でも、無痛に対応してくれるということは医師に確認済でした。
また、陣痛が来ても子宮口が開かないケースがあると知り、急に恐ろしくなったというのがもうひとつ。
陣痛が来ても、子宮口が全開になるまでは「いきみ逃し」で耐えなければなりません。
一連の出産の流れの中でも、この「いきみ逃し」をしている時が一番痛いし、ツラいんですよね。そんなツラい時間を少しでも短縮するべく、できるだけ身体を動かして子宮口が開きやすいようにしておこう、と考えたのです。
実際に運動することで子宮口が開きやすくなるのかどうかは知りません(全然運動していなくてもスピード安産だったという人もいるみたいだし)。でも、医師や助産師が臨月にこぞって「運動」を勧めるくらいなので、何かしらの効果はあるはず!と思うことにしました。
気持ち的にももう、家でのんびりと入院の日を待ってはいられなかったのです。
4月21日(土)夜 – 破水
公園まで歩き、公園の中でもぐるぐると歩き回り… 夕方頃、クタクタで帰宅。さすがに疲れて、夕食後はベッドに横になっていました。
ゴロゴロしながらスマホをいじっていて、トイレに行こうと身体を起こした瞬間…
ジョロロン…!
と、何かが股の間を流れ出て行ったのを感じました。
尿漏れでないことは明らかだし、おりものにしては水っぽ過ぎる。破水にしては、少ない気がするけど… いずれにしても、今までにはなかった事態です。
生理用のナプキンをあてて応急処置をします。常にではないけれど、時々ジョロジョロと少量ずつ水が流れ出てくる感じです。これが、高位破水というやつでしょうか。
21時半頃でしたが、病院に電話を入れました。
すると、破水の可能性があるので、入院の準備をして来院してください、との回答。すぐに荷物を持って、夫・息子と共に病院に向かいました。
病院に到着してすぐ助産師さんに内診してもらったところ、「破水してますね」とのこと。そのまま入院となりました。
4月21日(土)深夜 – 麻酔用のカテーテルを入れる
助産師さんによれば、破水はしているものの子宮口はだいぶ奥の方にある、とのことでした。
詳しいことは私にはよく分からなかったものの、内診の流れでそのままグリグリと何か処置をした結果、
バシャッ!
と音がして、大量の水が流れ出たのか分かりました。この時点で、完全に破水したようです。
「院長先生には連絡したので、いま向かっていますからね。麻酔のカテーテルも、今夜入れちゃいます」
前回の出産から5年以上経っているとはいえ、私は経産婦なので、急にお産が進む場合もある。
痛くなってからカテーテルを入れたのでは間に合わない可能性もあるため、早めに準備をしてしまうのだそうです。
カテーテルを入れる際は、院長先生に背中を向けて横になり、グッと両膝を抱え込むような体勢をとります。
これが、なかなかの苦しさ… ただでさえお腹が大きくて息苦しいところ、そのお腹を押さえつけて丸くなるわけなので。お腹も胸も喉も、苦しくてゼエゼエしてしまいました。
表面麻酔、麻酔注射、カテーテル挿入と措置は進んでいきます。
麻酔注射は、思っていたほどの痛みではありませんでした。ただ、先生に背中を向けていて背後で何が行われているのか全く見えなかったため、恐怖感はありましたが…。
こうして背中には麻酔のカテーテル、左腕には点滴と陣痛促進剤用の針がささり、準備は整いました。
モニターに目をやると、弱い陣痛も始まっているようです。この時点で、23時頃でした。
「この後は、どういう流れですか?」
私が尋ねると、院長先生はアッサリ、
「今夜は寝てください」
と言います。
「陣痛も弱いんで、破水していなければ一旦帰宅してもらうくらいのレベルです。でも破水しちゃってるんで、今日はこのままここで休んでください。で、明日の7時くらいになっても陣痛が弱かったら、促進剤入れましょう」
すぐにでも誘発するのかと思っていたのですが、まずは自然な陣痛を待つ、ということのようです。
「とにかく明日に向けて、体力を温存する意味でも寝てください。眠るとお産が進みますから。必要なら眠剤を出しますから」
と、そんな感じで「寝ろ」としか言いません。促されるまま病室に入り、睡眠導入剤をもらってベッドに横になりました。
睡眠導入剤、というものを私は生まれて初めて飲んだのですが、やはり効果があるのでしょうか。
それとも、日中たくさん歩いて疲れていたからでしょうか… すぐにウトウトし始めて、夜中に目を覚ました記憶はありません。
4月22日(日)午前7時 – 陣痛促進剤を入れる
朝5時半頃、一度目を醒ましました。
下腹部に、生理痛程度の鈍痛があります。が、まだまだ余裕で我慢ができる程度だったので再び眠りにつきました。
徐々に痛みが強くなっていくことを期待しましたが、生理痛レベルから強くなることはなく…
予告通り、7時頃より陣痛促進剤の投与が始まりました。
一時間程度は我慢できる程度の痛みが続いていたのですが、8時ころから「まあまあ」な痛さが襲ってきます。
この時点では、まだ無痛分娩のための麻酔は入っていません。深呼吸をしながら、痛みをやり過ごしていました。(陣痛間隔は自分では測っていなかったので、残念ながら記録はありません)
8時半を過ぎると、いよいよ痛みが強くなってきました。
5年前、長男の出産時は早朝から弱い陣痛が始まり、それが我慢できないほどの痛みに変わったのはその日の夜遅くでしたから… 「陣痛促進剤は急に痛くなる」という話は、やっぱり本当なのかもしれません。
ナースコールをして「も… ものすごく痛いんです」と伝えると、助産師さんが来てくれて内診したり、腰をさすったりしてくれました。
早くも、内側から押し出されるような(便意に似た)感覚があります。でも、子宮口はまだまだ開いていないらしく、お産にはなりません。
4月22日(日)午前9時 – 麻酔の投与開始
しばらく病室のベッドの上でのたうち回っていましたが、9時頃、そろそろどうしようもない痛みが襲ってきました。
おかしいな、事前に貰っていた説明資料にも、「痛みはしっかりとるよう対応する」と書かれていたはずなのに… まだ麻酔を入れてくれないのかな?
のたうち回りながらも、頭の中は「?」マークだらけです。
さすがに私も「全く痛くない」とは思っていなかったけれど、これは痛すぎる。痛くて痛くて、呼吸が乱れるレベルです。
いくら普段おとなしい私でも、これは黙っていられない… 何のために、10万円上乗せしたと思ってるんだ!がんばれ私!
そこで再びナースコール。
「い… いたくて がまんできません!!」
そして9時過ぎ。ようやく麻酔が入り始めます。
ナースコールに似たボタンを手渡され、「痛かったら押してください」と言われました。「安全なものしか入っていませんので、痛かったら何回押しても大丈夫ですからね」と助産師さん。
何回押しても大丈夫…?自分の判断で麻酔を入れていいなんて、間違えて大量に投与してしまって事故になったりしないのでしょうか?
と、一瞬疑問に感じたものの、すぐにそんなことはどうでもよくなるくらいの痛みが襲ってきます。
教えられた通りボタンを押すと、背中の管に冷たい液体が通る感覚が走りました。どうやら麻酔が入ったようです。
良かった、これで少し痛みが和らぐのだろう… と、期待して痛みが遠のくのを待ちました。
おそらく、そこから少しの間は楽になったのだと思います(あまり憶えていませんが)
ただ同時に陣痛促進剤も投与しているためか、陣痛が強くなるペースの方が早く、すぐに麻酔が効かなくなったように感じました。
そこで、カチッ カチッと麻酔のボタンを押すのですが、先ほどのように液体が管を通っていく感覚がありません。そうこうしてる間に、また激痛の波がやって来る――…
何なんだよ!そこで再度、ナースコールです。
「まっ ますいが きいてないような きがするんですけど…」
先ほどとは別の助産師さんがやってきて、麻酔のカテーテルとつながった機械を見て、言いました。
「あ~ 麻酔が入るのは15分に1回なんですよ。あと3分待たないとですね」
えっ? …ってことは…
さっきから私、麻酔が入らないのも知らずにカチカチとボタンだけ押してたってこと!?
安全には違いないけど、馬鹿みたいじゃないか!先に言ってよ!
と、言いたくても言えず。3分待って、麻酔のボタンを押してみるも、痛みの方が強すぎて全く効いていないような気がします。
「どうですか?楽になりましたか?」と助産師さんに訊かれるたび、「いたいです」としか答えることができませんでした。
4月22日(日)お昼前後 – 分娩室へ移動
さて9時頃までは、スマホのメモ帳に経緯の記録がありました。
でも、それ以降は痛くて痛くて記録どころではなくて… 何時頃分娩室に移動したのかも、全く記憶にありません。
車イスに乗せられて分娩室まで行き、いつの間にやら分娩台に乗せられていました。
ただ、その時点でもまだ子宮口は全開ではなく、お産になるから分娩台に乗った… というわけでもないようで。
何か説明があったのかもしれませんが、私自身、痛みでワケが分からない状態でした。
分娩室に異動後、助産師さんの一人が「まずはしっかり、麻酔を効かせよう」と言ったのが聞こえました。
陣痛の方が強くて、麻酔を入れてはいるものの、効果が感じられない状態だったようです。一旦、陣痛促進剤の投与を止めて麻酔を入れ、痛みを和らげる措置がとられました。
ほどなくして痛みは弱まり、分娩室に入ってきた夫&息子とも、普通に会話ができる状態になりました。陣痛の波が来ていることは感じられるものの、深呼吸でやり過ごせる程度です。
朝8時台からとんでもない痛みと闘ってきたため、「小休止」といった感じでした。
「このくらいの痛みで、分娩まで行けたらいいのになあ…」などと淡い期待を寄せていたのですが、やはり、そうは問屋が卸さない。
なかなか陣痛が強くならなかったため、カーテンの向こうで助産師さんの一人が「あれじゃ産まれないわよ」と言ってるのが聞こえました。何だか、嫌な予感がします。
そして――…
「陣痛が弱いので、もう一回促進剤を始めてもいいですか?」
と。
産まれないのでは困りますから、私も今度は覚悟を決めて「はい」と答えました。夫と息子には、分娩室から出て行ってもらいました。
そこから再度促進剤の投与が始まり、再び痛みが強くなっていきます。
脂汗が滲むほどの痛み。ですが、病室で感じていたほどのどうしようもない痛みではありません。
先ほど一旦促進剤を止めて、麻酔を効かせてもらった効果が現れているようでした。
4月22日(日)午後2時半 – 出産
不思議なもので、分娩台の上でも陣痛が遠のいている間は眠くなります。相当、体力を消耗していたのでしょうね。
陣痛の波がやって来るとハッと目が覚め、深呼吸で痛みをやり過ごす。痛みが遠のくと、またウトウト…。そんな状態で、2~3時間過ごしました。
もう永久に産まれないんじゃないかと思うくらい、この時間は私にとって、ダラダラと長いものに感じられました。
時々、助産師さんが内診で子宮口の開き具合を確認します。
前回の出産(普通分娩)時は、この内診もとんでもなく痛くて苦痛だったのですが、今回は麻酔のお蔭で痛みはなく助かりました。
やがて、
「もうお産になりますからね」
と助産師さんが言いました。子宮口が、ようやく全開になったようです。
「今度いきみたくなったら、いきんでみてください」
正直、麻酔が効いてるためか「いきみたい感覚」というのは全く分からない状態でした。
あるのは、脚の付け根が強烈に押されるような痛みだけ(この痛みは麻酔でも取れない、と助産師さんに言われました)…
ですが、「いきみたいのかどうか分かりません」などと言っている場合ではありません。
助産師さんに教えられた通り、陣痛がやって来るのに合わせて一旦深呼吸、そしてまた大きく息を吸ったら止めて、力を入れる!
これを、何度も何度も繰り返しました。
「いきみたい感覚」というのが分からないので、いきむたびに「これでいいのだろうか…」と不安になりました。
でも、助産師さんたちが口々に「そうそう!上手上手!!」「いいよ~ その調子!」などとやたら褒めてくれるので、分娩時は若干気をよくしていた私です(笑)
実際には、上手でも何でもなかったと思いますが…。
そして、
「もう次で産まれますからね」
と、いつの間にか分娩室に入ってきていた女医さんの声。
5年前、息子の出産時は最終的に吸引分娩になってしまい、「自分で産んだ」という実感がありませんでした。
吸盤のような器具を産道に突っ込んで、引きずり出してもらったような感じで…
だから、「次で産まれる」と言われた瞬間、何とも言えない達成感がわきあがってきました。
そして、最後のいきみ。
全身に力を込めたタイミングに合わせて、パチンパチンとハサミの音がしました。おそらくこの時、会陰切開をしたのだと思います。が、痛みは感じませんでした。
下腹部に思い切り力を入れると、デュルン!と何かが(もちろん赤ちゃんが)体内から出て行った感覚があり…
「は~い、産まれましたよ!」
と、女医さんの声。
やっと産まれた…!
涙が出そうになりました。
私の「無痛分娩」は、「無痛」ではなかった!
その後赤ちゃんは、すぐに産声をあげてくれました。
ここまで書いてきた内容でお分かりの通り、今回の私の「無痛分娩」は、全く以て「無痛」ではありませんでした。
麻酔の効き方には個人差があると聞きますし、そもそも痛みへの耐性にも個人差がありますし、医療機関によって無痛分娩の方法が違う可能性もあるので、何とも言えません。
「無痛分娩」によって、ほとんど痛みを感じることなく出産できたという体験談も実際目にしますし、そうした話を「嘘だ」などという気は毛頭ありません。
ただ、今回の私の出産に限って言えば、充分痛いお産でした…
それでも無痛分娩を選択したことに後悔がないのは、産後の身体の回復が、前回とは比べものにならないくらい早いことを実感しているからです。
前回出産時の私は30歳、今回は35歳。
前回の方が、産後は明らかにヘロヘロでした。今回の方が、5つも歳をとっているにも関わらず… です。
痛いことは痛かったけれど、それでも麻酔が効いていたため、必要以上のダメージを受けずに済んだのかもしれないですね。
上に5歳の子どもがいる身としては、「産後の回復が早い」というのは本当にありがたい。
そんなこんなで今のところ後悔はありませんが、事前にもう少し「無痛分娩」に関する情報収集をしておいても良かったな、という反省はあります。
「無痛」に期待し過ぎたせいで、想定と違う状況にかなり戸惑う羽目になりましたので。
しかも、赤ちゃんが産まれてそれで終わり、ではなかったのです… 私にとっては、ここからの「後産」が本番でした。
これについては、次の投稿で書きたいと思います。