7月4日午前。またしても北朝鮮から弾道ミサイルが発射されました。
約40分間、930キロ飛んで日本の排他的経済水域(EEZ)に落下したそうですが… Jアラートは鳴りませんでしたね。
今回も、危険はなかったということなのでしょうか?
北朝鮮はICBM(大陸間弾道弾ミサイル)だと発表したのに対し、米軍は現時点で中距離弾道弾ミサイルだと分析しているそうですが…
私にはその違いが分かりませんので、正直どちらでも、落ちてきたら一緒でしょ?と思ってしまう。
本当に、早期解決を願うばかりです。
「知ってた?ミサイルが飛んでくると、こんな音が鳴るらしいよ」
北朝鮮がミサイル発射に失敗した4月16日、日曜の夜のこと。たれ蔵(夫)はそう言うと、スマホでサイレン音を再生しました。
「プオォォォオ――――…」
はじめて聞く、不気味なサイレン。何とも不穏な響きで、私は何となく気持ちが悪くなってしまいました。
が、私よりショックを受けたのは、タロウ(4歳の息子)の方。
サイレンの音がよほど不気味だったのでしょう。大好きな仮面ライダーの映画を再生中だったのですが、もうそんなものは目に入らない様子で、必死にたれ蔵に質問をぶつけるのです。
ミサイルって何?
どこに飛んでくるの?
お家にも来るの?
飛んできたらどこへ逃げるの?
…と、パパを質問攻め。
あまりの勢いにパパもたじたじとなり、
「飛んでこない!飛んでこないよ。そう、今日も発射に失敗してたし。飛んできたとしても、タロちゃんの家は狙われないから大丈夫だよ!」
と、慌ててつけ加えました。
でも、時すでに遅し。ミサイル発射に関する、タロウの追求は止まりません。
もう20時を過ぎていたので、パパとお風呂に入るよう促したのですが、お風呂の中でもずっとミサイルのことばかり話していたようです。
お湯から上がった息子は、泣いていました。
「母さんが死んじゃうかもしれない」
…えっ?
わたし??
よくよく話を聞いてみると、“ミサイル”が飛んできたら私が死んでしまうかもしれない、それが一番心配だったようなのです。
息子が怖かったのは“ミサイル”そのものじゃなくて、ミサイルのせいでもし母さんが死んじゃったら… ということの方だったのですね。
途端に、私は猛烈に反省しました…
ついさっきまでは、息子がお風呂で必死にミサイルのことを話す声を聞きながら、
「4歳児がミサイルの心配なんてしたってしょうがないじゃないの~」
「あんなに心配性じゃ将来が不安だわ…」
なんて、軽く考えていたのです。でも、そういうことじゃなかった。
子どもにとっては(私にとってもだけど)、ミサイル発射がなぜ怖いかと言ったら、爆発が起こるからでも、建物が倒壊するからでも、火事が起こるからでもない。
それによって、一番身近で大切な人の命が失われる可能性があるからなのです。
4歳の子どもの思考が既にそこまで及んでいる、ということに驚き、
自分じゃなくて、母さん(=私)の心配をしてくれる息子の優しさに感動し、
ミサイルの心配をする息子を「心配性な奴だな~」としか考えていなかった自分を恥じ、
ついでに、あんな不穏なサイレン音を寝る前の息子に聞かせた夫に殺意をおぼえ、
いやいや、怒りを向けるべき相手はミサイルなんか飛ばしてくるあの国の方だ、と思い直し…。
しばらくすると息子は落ち着き、寝ました。
サンプルだとしても、あんな音は子どもに聞かせちゃいけなかったのかもしれません。それくらい、不気味で、恐怖を感じる音でした。現実にも、聞かせる日が来ないことを強く強く願います。
でも、万が一鳴ったら?
その時は、どう行動するべきなのでしょうか。
いつもなら、「ミサイルなんて、来るわけないじゃん」と悠長に構えている私ですが、飛んでこないという保証はどこにもありません。
もし警報が鳴っても、自分がそれをキャッチできず、さらに適切な行動をとれなければ、息子の心配通り本当に「死んじゃうかも」しれないのです。
息子を守ることもできません。
前置きが長くなりましたが、こんな出来事により猛反省した私は、この不気味なサイレン音、「国民保護サイレン」について調べてみました。
国民保護サイレンとは何か?
国民保護サイレンとは、「Jアラート」と呼ばれる警報システムで緊急情報を伝える際に使われる音源のことです。
「Jアラート」の正式名称は、「全国瞬時警報システム」。
人工衛星と市町村の防災無線を利用して緊急情報を伝えるシステムで、総務省消防庁が2007年から運用を開始しています。
10年前から既にあったということになりますが、その存在自体、私は全く知りませんでした…
実際、今回の北朝鮮の弾道ミサイルをきっかけに認知され始めたようです。
ただ、Jアラートの対象はミサイルに限りません。
気象関連 | 地震・津波・火山・気象に関する警報や注意報 |
有事関連 | 弾道ミサイル、航空攻撃、ゲリラ・特殊部隊攻撃、大規模テロに関する情報 |
気象庁による「気象関連情報」と内閣官房による「有事関連情報」、この二つの分類に該当する、様々な緊急事態に対応しています。
Jアラートが緊急事態を伝えるために鳴らすのが、あの不気味な国民保護サイレン、というわけです。
国民保護サイレンはどこから流れるのか?
上記の警報が発令されると、人工衛星を介して各自治体の無線を自動的に起動し、サイレンと音声で住民に伝達されるそう。
つまり、いつも「こちら、広報〇〇…」のような放送が流れる、あの市区町村の屋外スピーカーが使われるということですね。
人の手を介さず「自動的に」起動するというのがミソで、そのため瞬時に警報を出すことができるのだそうです。
その他にも3大携帯電話キャリアによる「緊急速報メール」や、スマホアプリによる配信も行われているため、softbank、docomo、auの利用者であれば、携帯・スマホが鳴るはすです。
アラートを確実に受け取るためには?
東日本大震災では、鳴っているはずの警報を聴き逃していた事例も少なくなかったそうです。
また「聞こえて」はいても、変に響いてしまって何を言っているのか分からない場合もありますよね…。仮に具体的な避難指示がそこで放送されていたらと思うと、かなり不安です。
さらに、「格安スマホ」では端末によってはアラートを受信できないケースもあります。そういう私もmineoユーザーであり、自分のスマホが緊急時に反応するのか、しないのか… よく分かっていない状況です。
調べてみると、「Yahoo!防災速報」アプリなら、Jアラートの国民保護情報配信に対応しているとのこと。
防災全般に関するアプリなので、緊急地震速報なども受け取ることができます。特に大手キャリアでない人は、ダウンロードしておいた方がいいでしょう。
スマホの充電を普段からきちんとしておくことも大切ですね。
またいざという時サイレン音を認識するためにも、事前に一度はサンプルを聞いておいた方が良いかもしれません。
サイレンが鳴っても、瞬時にその内容を理解できないのでは意味がありませんから。
※必ずしもこのサイレン音が鳴るとは限らず、通常市区町村が使っているサイレン音が使われる場合もあるようです。
↑ページの下の方にMP3ファイルの再生ボタンがあります。そこからサンプルを再生できます。
万が一、国民保護サイレンが鳴ったら?
もしサイレンが鳴り、それがミサイルの接近を知らせるものだった場合、屋内避難が基本となります。
屋外にいる場合は、近くのできるだけ頑丈そうな建物に避難する。できれば、地下が良いそうです。
その上で、
●ドアや窓を全部閉めましょう。
●ガス、水道、換気扇を止めましょう。
●ドア、壁、窓ガラスから離れて座りましょう。
出典:警報が発令されたら
爆風や倒壊による被害から身を守る対策をとるように、ということですね。
室内にいても、爆風によって窓ガラスが割れ、飛び散る破片で重傷を負う可能性があります。ウチのようなマンションなら、窓のないトイレに逃げ込むのが良さそうです。
間違っても、慌てて外へ飛び出したり、興味本位で窓から外を覗いたりしないこと!です。スマホ片手に撮影しようとするのも、絶対にダメ!
サイレンが鳴った時点でどれくらいの時間が残されているのか?
北朝鮮から日本まで、弾道ミサイルが飛んでくるまでにどれくらいの時間があるのでしょうか。
ネット上では10分とか、7~8分とか、中にはもっと早くに飛んでくるとする説もあり、どれが正しいのかは分かりませんでした。いずれにしても極めて短時間で飛んでくる、ということだけは確かなようです。
しかも、発射を感知して警報が鳴るまで約4分かかると言われています。ということは、仮にミサイルが7分で日本まで飛んでくるとした場合、あの不気味なサイレンを聞いた時点で既に、着弾までに3分ほどしか残されていない、ということになります。
たったの3分!
つまりそこから何かを考えたり、判断したりする時間などない、ということです。あらかじめどう行動すべきかを理解し、自分の中で決めておかなければ、サイレンを聞きながら右往左往するだけになってしまうでしょう。
もし、Jアラートが鳴ったら…
外出集の場合は、とにかく地下街や建物に逃げ込む。
会社や自宅にいるなら、ガス・水道を止め、窓を締めてトイレに非難する。
私もこれだけは抑えておこうと思います。
杞憂に終わってくれれば、それでいいので。
4月21日、ミサイル避難方法が掲載される
昨日、内閣官房HPに「弾道ミサイル落下時の行動について」というpdfファイルがアップされました。
特に目新しい情報はありませんでしたが、視覚的に分かりやすいので目を通しておいた方がいいかもしれません。
「弾道ミサイル落下時の行動に関するQ&A」も、一緒に掲載されています。問い合わせが殺到しているのでしょうね…。