会社への不満が理由の場合、正直に伝えるべき?
10月末、年内の退職を希望している旨を社長に伝えました。
現時点でも引き留めにあっている最中で、退職時期はおろか、退職自体、確定していない状況です。が、来週位にはハッキリするでしょう。
退職理由の伝え方については、散々迷いました。
本当の理由は、人間関係です。特に、社長の親族の横暴な振る舞いに限界が来た、というのが主な理由でした。
就業開始から2年以上、なるべく表に出さず我慢してきましたが… その分、私の中で会社への…というよりは社長一家に対する恨みは、かなり根深いものとなってしまいました。
だから正直、「最後くらい、言ってやりたい!」という気持ちが自分の中でかなり大きくなってしまっていたのです。
一般的には、「退職理由は前向きなものを話す」「会社への不満を理由にしてはいけない」「立つ鳥跡を濁さず」などと言われます。
それは、分かってる。
分かってはいるんだけど。
それでも、社長に退職を伝えるギリギリの段階まで、私は迷っていました。
本当の理由(=会社への不満)を伝えるか、それとも、建前の理由を並べるべきか。
心情的には、会社への不満をぶちまけてやりたかった
本当の理由を伝えることにも、一定のメリットはあっただろうと思います。
まず、引き留めにはあわなかったでしょう。
会社への不満…具体的に言ってしまえば、社長の親族に対する不満なのです。それを口にすれば、社長の怒りを買うことができ(笑)、すぐにでも辞めることができたでしょう。
少なくとも、今のように引き留められることはなかったはずです。
また、2年の間に溜まりに溜まった不満を口にすることで、一時的にはスッキリしたかもしれません。
会社への不満を理由に辞めるのはいただけない… とは言うものの、同族経営の零細企業という環境では、不満を口にできるチャンスは、辞める時くらいしかないのです。
そうでない時に問題提起、改善提案などしようものなら、袋叩きに遭う… という例を、この目で見てきました。
もう辞めると決めているからこそ、不満を口にできる。そうでなければ、とてもじゃないけど言えない、そんな環境だったのです。
変な辞め方をすると転職後に響く、という説もよく聞かれるところですね。
が、社員が数人しかいないような小さな会社で、裏方の事務仕事している私が、タンカを切って辞めたところでどの程度の影響があるというのでしょう。
その噂が業界中に広まって、同業他社に就職できなくなるとか…?まず、ありえません。そんな大げさな事態になるには、会社も私も、あまりにも小さな存在です。
「あなたの親族の、人を人とも思わない態度に我慢ができないのです」
そう、言えたら… どれだけスッキリしたことでしょう。
本当は、言ってやりたかった。
それでも、最終的に退職理由は「家庭の事情」だけで話をすることにしました。
不要な恨みは買わないに越したことはない
会社への不満を口にすることで一時的に溜飲が下がったとして、問題はその後です。
内容が内容ですから、社長やその親族の怒り、恨みを買うことは避けられないでしょう。
同族会社でなかったとしても、「会社への不満を理由に辞める」となれば、残る人間にとって良い印象は残りません。となれば、退職までの数週間~数ヶ月は、これまで以上にしんどい毎日になることは間違いない。
どちらにせよ退職すれば関わることもないので構わない、と考えることもできますが…であれば尚更、わざわざ恨みを買った上で辞める必要もありません。
不満をぶちまけたその瞬間は気分が良くても、後味が悪いであろうことは容易に想像できます。
私の目的は、一刻も早く今の会社を退職すること。そして、自分の新しい仕事に着手することなのです。であれば、「不満をぶつけてスッキリする」なんてのは、本来の目的から外れた余計なことなのです。
退職してしまえば、会社のことも、そこでの出来事も、次第に忘れていくのです。私もそれを望んでいます。
無駄なトラブルを起こして、後味の悪い思い出を残す必要はありません。
自分のため、ですね。
他にも、色々と思うところはありましたけどね…。
いくら最低な会社でも、2年以上「お世話になった」ことは確かだし… とか。
もし冬のボーナスが貰えるなら、下手にこのタイミングで会社と揉めて、支給額に響いても損だよな、とか。
いずれにしても一時的な怒りで、後々自分が損をしたり、後味の悪い思いをしたりしないすることのないように、退職理由は「家庭の事情」で通すことにしたのです。
とはいえ退職理由のシナリオづくりは、やや面倒
本当の理由は、「会社、及び人間関係への不満」。
建前の理由は、「家庭の事情」。
ということで、会社には嘘の理由で以て退職交渉をすることになります。
本音と建前がまるで違う内容なので、色々と突っ込まれた場合を想定して、シナリオを用意しておかなければならない点は、やや面倒でしたね…。
本来は会社に対して、退職事由を事細かに説明する必要はないのかもしれません。
「一身上の都合」で通しても問題ない…という意見も見かけますが、実際問題、なかなかそれだけで納得してもらうのは難しいでしょう。
退職したい、と申し出れば当然色々聞かれますし、「家庭の事情」と説明したとしても、「どういう事情なのか?」はある程度問われることは分かっています。
なので一応、社長に納得してもらえそうなシナリオを用意して話すことにしました。”シナリオ”の詳細はここには書きませんが、実際はそのほとんどが嘘なので、矛盾なく筋書きを立てるのは大変でした。
というより、本心は会社に不満があって辞めるのに、自分の個人的な理由で退職せざるを得なくなった… という体で話すのは、ちょっと癪でしたね。
が、退職にあたって「会社とは揉めない」という選択をした以上、止むを得ませんが。
その甲斐あって、私の退職交渉は円満に進んでいます。現在は慰留にあっているところですが…それも円満退社の過程でしょう。
嫌いな会社と更に揉めたところで互いに嫌な思いをするだけですし、建前の理由(=要は、嘘)で通したのは正解だったかな、と思ってます。