タロウがちょうど、2歳になった頃のこと。
私の友達が、息子にと「くもんのジグソーパズル STEP2 はやいぞしんかんせん」をプレゼントしてくれました。全て新幹線の絵柄で、9、12、16、20ピースのセット。
これが息子にとって、初めてのパズルでした。
ただ、一応ありがたく頂戴したものの…私自身あまりパズルに興味がなかったのと、息子が「つくって!つくってよう!」と迫ってくるのが面倒で、何となく押入れにしまいこんでおりました。
その後もたまに押入れを開閉した時に、パズルの箱に描かれた新幹線を見つけては、「つくってよう!」攻撃。
仕方なく作って見せて、「やってごらん」などと促していたのですが、2歳の頃は9ピースですら完成させられたことはなかったと思います。
「できない!」と投げつけたり、グシャグシャにして散らかしたりして片づけが大変になるので、すっかりイヤになった私はパズルの存在を忘れさせるべく、更に押入れの奥深くへしまいこみました。
というわけで、非常に横着な親である私は、当初は息子にパズルを教えようともしていませんでした…。
3歳2ヶ月。いつのまにか20ピースができるようになっていた
今年になって、押入れを整理していたところ、またしてもパズルを見つけられてしまいました。
でも、以前のように「つくってよう!」とピースを持って私を追いかけてくることもなければ、イライラしてパズルを投げたり、わざとグシャグシャにするようなこともありません。
「ここかな~…」「こっちかな~…」
などと、ブツブツ独り言を言いながら、なんと一人でパズルに取り組んでいたのです!
そして、
「見て!できたよ」
なんと息子、いつのまにか20ピースのパズルを一人で完成させられるようになっていました。3歳2ヶ月頃の話です。
できる、と分かるとやはり面白くなるみたいですね。何度も崩しては、また組み立てている内にどんどんスピードも上がっていきます。
保育園でパズルで遊んでいる、とかいう話は聞いたことはありません。なぜやってみようと思ったのか、できるようになったのかは、よく分かりません。
が、とにかく私は息子が一人でパズルに取り組めるようになっていたことに、感動してしまいました。
「20ピースを完成させた」という“記録”に対してではなくて、一枚の絵を完成させるために、タロウが自分の頭で必死で試行錯誤している、その姿に対して。
以前なら、「できない!」と叫んで投げつけて終わりだったのに…。「ここかな?」「こっちかな?」などと呟きながら、ピースの向きを変えて絵を合わせようとしている姿を見て、何だかものすごい成長を感じてしまったのでした。
3歳3ヶ月、65ピースをクリア!現在、80ピースに挑戦中
そこで、今度は55ピースのパズルを買ってみました。プラレールの絵柄です(本人が選びました)。
20ピースから55ピース、と一気に難易度が上がり、やはり最初はかなり動揺していたようです。「母さん、一緒につくろうよ」と自信なさげ…。
以前の私だったら、ここで「自分でやらなきゃ意味ないでしょ!」とお断りするところでしたが、この時は「そうだね、一緒にやってみよう」と答えました。
せっかく芽生えた意欲と自信を折りたくなかったのと、たぶん、1~2回手伝えば、この子は自分でできるようになるだろう、と思ったからでした。
実際、55ピースについては私は一度手伝っただけで、2回目からは自分ひとりで完成させられるようになりました。
知っているモノや、好きなキャラクターの絵柄を選んであげると…
続いて、65ピースです。
「動物戦隊ジュウオウジャー」…こちらも最初の数回は一緒にやってみたのですが、55ピースからたった10ピース増えただけで、ぐっと難しくなった感じがしました。レベル的にも「4歳~」となっているし、一人で完成させるには少し難し過ぎたかな…?
と、思ったのですが、結局2~3日後には、タロウ一人で完成させられるようになっていました。「ひとりでできたんだよ!」と得意げです。
さらにもうひとつ、同じく65ピース「ウルトラヒーロー」。
こちらは「動物戦隊ジュウオウジャー」よりもずっと早く完成させることができました。
おそらく息子は「ウルトラマン」が好きでこれまでもよく見ていたので、そのためだと思います(「ジュウオウジャー」は、見ていない)。
例えば「ジュウオウジャー」のパズルで剣やロボットの一部を見ても、それが何だかよく分からなかったのに対し、「ウルトラヒーロー」の方は「ウルトラマンの目だ!」、「メトロン星人の顔だ!」、「セブンの頭だ!」ということが分かったからでしょう。
(65ピースをやるのが2回目だったから、というのも勿論あるとは思いますが)
好きなキャラクターや、なじみのある絵柄を選んであげると、「手がかり」となるのでとっつきやすいようです。
…そりゃそうですよね。何が何だか分からない絵柄なんて、組み合わせていても面白くないし。
今日からは、80ピースに挑戦しています。
パズルは「全体を意識しながら部分を関連付ける」高度な遊び
ジグソーパズルで遊ぶことの効果を調べてみると、「手先の器用さを養う」、「集中力が身につく」、「達成感を味わえる」…などなど、いろいろ子どもの成長にとってもよいことが多そうです。
特に「なるほど」と思ったのが、これ。
ジグソーパズルは、図形の認識、記憶、色の判別ができるようになる他、「知覚統合」といって、目で見た情報を取り込み、全体を意識しながら部分を関連付けて意味あるものにまとめ上げる能力を育むそうです。
確かにパズルって、単にピースとピースを組み合わせるだけのものではなくて、「全体像」を想像しながら、完成に近づけていく作業ですもんね。
そう考えると、結構高度な遊びなんじゃないかと感じます。3歳児の脳内で、「全体を意識しながら部分を関連付ける」なんてことが行われていのかと思うと、それだけでビックリです。
また、以前なら「できない」と思うとすぐに諦めていたのが、予想したピースがはまらなくても投げ出すことなく、向きを変えたり、ピースを取り替えたり、別の場所から手をつけてみたり…という、まさに「トライ&エラー」を繰り返している姿には、ホント感動してしまいます。
80ピースは自分でも「まだ難しい」と感じているようで、一人ではやろうとしません。なので、今は私も一緒につくっています。
特に、促したり教えたり…といったことはせず、私も黙々と取り組んでいるだけ(「隅っこから嵌めていくと簡単だよ」くらいは教えましたが)。
その様子を見て、息子も自分で考えてピースを組み合わせています。
ジグソーパズルは“遊び”ではありますが、同時に”難しい作業”でもあることは間違いありません。「やってごらん」と突きつけられたらイヤになってしまう子もいるでしょう。
しかも「できる」「できない」という結果が分かりやすいので、親としてはついそれで子どもの能力を測りたくなってしまったり…。私もその気持ちを押し殺して、息子のパズルを見守っています。
まずは興味をもち、やり方のコツをつかむまでが難しいので、それにはひたすら親自身が楽しんで取り組む、そしてその姿を見せるのが一番だと思います。
あるいは、私のようにひたすら押入れに隠して触れさせないようにすることで、逆に「ぜひ、やってみたい」という強い気持ちを掻き立てることができるかもしれません(笑)